この記事でわかること
①今聞くべき、おすすめの音声配信メディア
②音声メディアの市場と未来
音声メディアの市場規模は年々増えていて、大手企業も音声コンテンツ配信こぞって参加しています。
最近、音声メディアのサービスの資金調達が盛り上がっていますが、なぜ今あついのか?!また、音声メディアの市場・今人気の音声メディアの人気サービスを紹介しながら解説します。
音声メディアの種類
音声メディアの種類は大きくわけて3種類です。
- 音声コンテンツ配信サービス
- インターネットラジオ
- オーディオブック
音声コンテンツ配信サービス
音声メディアで、最も注目されているのは音声コンテンツ配信サービスです。音声のコンテンツを自分でつくり、そのサービスにのせて出すというものです。
アプリで録音でき、そのまま配信できるサービスいわゆる「独立系」のサービスと、いったん自分のサーバーやブログのような記事にのせておいて、RSSと呼ばれるフィードを載せる「ポッドキャストタイプ」のサービスがあります。
「独立系」の有名なサービスは「Voicy」や「spoon」などで、youtubeなどのインターネット広告で見かけるサービスです。また、「ポッドキャストタイプ」で有名なのはgoogleやappleの「ポッドキャスト(podcast)」や「spotify」などです。ポッドキャストはiphoneなど購入したらインストールされているアプリです。
独立系のサービスはすぐにはじめられるため、スマートフォンでアプリをダウンロードし、会員登録することですぐにはじめられます。ポッドキャストタイプはサーバーを用意したりブログを開設するところからのスタートのため、アカウントの開設として「ポッドキャストタイプ」は準備が多く、「独立系」のサービスの方が手軽に始められます。
ただ、独立系のサービスは、自分で作ったサービスを他のサービスで共有できず、作ったそのサービスでしか発信できません。作ったデータをそれぞれのサービスごとアップロードする必要があります。ポッドキャストサービスはRSSフィードを登録することで、いろいろなサービスで発信できます。
また、独立系とポッドキャストタイプを比較すると、独立系はポッドキャストタイプと比較して登録しているユーザー数が少ないです。もし配信するとなれば、そのサービスを使っている月間のユーザー数(MAU)などに注目してサービスを選んでみると良いですね。
インターネットラジオ
インターネットラジオとはその名の通り、インターネットで聞くラジオです。公共の電波ではなく、インターネットプロトコルを通じて発信します。(いわゆるインターネットです。)
ラジオと同じ内容を同じタイミングでストリーミングで配信することを「サイマル配信」といいます。よくCMなどで耳にするサイマル配信とは、ラジオと同時生配信ということです。
2020年の9月に、インターネットラジオで有名なradikoが全国民放局をカバーしたため、国内でインターネット接続があれば、全国のラジオの生放送をどこでも聴けるようになりました。(海外はIPアドレスが違うため、radikoの使用は原則できません。)
rajikoの他にもNHKのネットラジオ「らじる★らじる」やコミュニティーFMのラジオなど、地域に限定されることなく音声コンテンツを聞くサービスが広がっています。
オーディオブック
オーディオブックとは本の読み上げサービスです。本に書いてあるものを朗読してくれます。早さも2倍にしたり、遅くしたりできるため、本を読みたいけど忙しいという人におすすめです。
本はなんでもあるわけではなく、比較的昔の本や、ベストセラーになった本などが多いです。
音声メディアの市場規模とその推移
国内の音声メディアの市場推移表
総務省が発行している最新の情報通信白書によると、2017年の日本のコンテンツの市場規模は11.8兆円。2013年から徐々に成長しています。
その中でも通信系と言われる、パソコンや携帯電話などのインターネット経由でのコンテンツの市場規模は3.7兆円。
コンテンツ全体が1千億円ぐらいの市場拡大なので、比較すると通信系は3千億円と市場拡大が著しい産業です。
音声メディアの資金調達が活発に
2019年にVoicyが大型の資金調達をして1年経ち、2020年に入ってから音声メディアの資金調達や事業スタートのニュースが増えました。
2019年3月 | voicy | 総額8.2億円 |
2020年2月 | Audiostart | 非公開 |
2020年3月 | UUUM(ウーム)株式会社 | REC.事業スタート |
2020年7月 | ear.style | 非公開 |
2020年8月 | stand.fm | 5億円 |
音声メディアが注目されているのは、ワイヤレスイヤホンとスマートスピーカーといった音声機器の普及です。
ワイヤレスイヤホンはappleから発売されている、airpodsの普及によって長時間ワイヤレスイヤホンをつけている人が増えました。ワイヤレスイヤホンによって、音声を聞きながら何か作業することができることで、音声コンテンツが注目されるようになりました。
また、スマートスピーカーも同様に声で操作し、音楽を流すことができます。ワイヤレスイヤホン同様「何かをしながら作業」ができるようになりました。
アメリカでの音声メディアの市場同行
アメリカでも同様に、ワイヤレスイヤホンやスマートオーディオが普及したことで、音声メディアが伸びました。それにともない音声の広告市場が3倍程度まで伸びています。
特に【ポッドキャストのNetflixを作る】をミッションとしているLuminary(ルミナリー)は、資金調達1億ドルと、日本円にして100億以上の資金を調達しています。
ルミナリーのビジネスモデルを簡単に説明すると、広告ではなく、ユーザーに直接課金してもらい、そのお金で、音声を作るクリエイターに最高の環境を作り、そのクリエイターをかこいこんでルミナリーで配信してもらうといううビジネスモデルです。
音声広告は視覚広告よりも印象に残り、購買につながりやすいそうです。気づかないうちに衝動買いしないように注意しましょう。
中国で大人気の喜馬拉雅(シマラヤ)FM
お隣の国、中国でも音声メディアが近年急成長を見せています。
中国の音声メディアサービスでは、喜馬拉雅(ヒマラヤ)FMが人気です。喜馬拉雅(ヒマラヤ)FMのダウンロード数は6億以上。月間で1億人以上のアクティブユーザーがいるサービスです。
ヒマラヤFMは、600社を超える音声を作っているメーカーとパートナーシップを組み、コンテンツを作るクリエイターに賞金を出しています。クリエイターはファン投票によって、賞金をもらえます。
また、有料コンテンツの販売もあり、こちらはセール時は70億超の売り上げがあります。(2018年)月額870円程度の有料会員も400万人を超えているため、計算すると月だけで35億円の売り上げがある超巨大起業まで成長しました。(2019年5月)。
中国では、他にチンティンFMやライチFMといったサービスも人気です。
ヒマラヤFMは日本でも2017年からサービスを開始しており、2019年にはダウンロード数30万ダウンロードを超えていて2万以上のコンテンツが楽しめるようになりました。
音声メディアのメリット
映像メディアと比較して音声メディアをみるメリットはどこになるのでしょうか。
音声は映像よりも人の印象を理解できる
音声コンテンツを作っている演者はテレビタレントよりもコアなファン層がつきやすいと言われています。テレビタレントは視聴者との距離が遠く、売れているタレントでもファン0人など言われるほどです。
ラジオは、特にファンがつきやすく、ラジオを大事にしている芸能人も多いです。より親密に感じるのは、音声だと、1対1の擬似的なコミュニケーションをとっているように感じるためではないかと言われています。
また、米イェール大学経営大学院のマイケル・クラウス博士によると、その人の感情は、表情でごまかせても声ではごまかせないということです。(記事リンク)
過処分時間の奪い間に有利
テレビやインターネットなど、時間の奪いあいの現代社会において、何かをやっている人の時間を奪えるというのは音声メディアの有利な点です。
テレビやyoutubeを始めとした視覚コンテンツはどうしても、見るという行為がともなわないと成立しづらく、時間を確保することが重要になります。
通勤しながら家事育児しながらなど、手がふさがっているような状況でも、ながら使いできるため効率的です。
学習にも最適
アメリカでは昔からオーディオブックが存在しており、学習に多く利用してきた歴史があります。
メリットとすると、2倍速など早いナレーションにより、より集中して頭に入りやすいということです。デメリットとしては、同じ箇所を聞きたい場合に時間がかかるです。また、何かをしながらの勉強はマルチタスクになり、非常に勉強効率がわるいためおすすめしません。もし勉強をしたいとなれば、集中してオーディオを聞く時間をとりましょう!
音声メディアのおすすめ一覧
NowVoice(NowDo)
本田圭佑さんが代表を務めるNowDo株式会社より出ている、スポーツ選手に特化した音声コンテンツサービスです。
アスリートが自身の考えや、ゲームを振り返るという、スポーツファンにはたまらない内容になっています。スポーツ選手はダルビッシュさんや池江璃花子さんなど、超トップ先週の考え方を聞くことができます。今年に入って、ビジネスマンやロンドンブーツの淳さんなど芸能人も参加しています。
SNSの総フォロワー数を公開しているため、コンテンツの数や登録者というよりはいかにインフルエンサーを増やしてるかを対外的な指標にしているようです。最新 2900万人(2020年7月)
公表登録者数 | なし |
有料/無料 | 税別900円(doは1ドル) |
コンテンツの種類 | スポーツ・芸能人 |
メディアの種類 | 配信サービス |
幅広い知見というよりは、トップアスリートの考え方が聞けるのが貴重な情報です。中学や高校生のスポーツプレイヤーには勉強になる情報が多いです。
無料期間があるので、ぜひまず使って欲しいですね!
radiko
radikoはインターネットラジオで全国民放局を網羅している、日本唯一のサービスです。自分がいる地域のラジオを、インターネットでraddikoのホームページをひらけば、すぐ聞くことができます。
また、タイムフリーというサービスがあり、同じ地域で、過去1週間以内放送された内容を、遡って聞くことができます。
有料会員になることで、地域関係なく、どこでも全国のラジオが聞くことできます。(350円税別)これがエリアフリーと呼ばれるサービスです。
radikoの利用者は2019年1月時点での利用者数は約290万人でしたが、2020年のコロナの影響ではMAUが900万人を突破しています。有料会員数は2019 年1 月時点では、57万人でした。
視聴はアプリでもインターネットブラウザでもどちらでも聴取が可能です。
公表登録者数(2019年) | 57万人 |
有料/無料 | 税別350円) |
コンテンツの種類 | ラジオ |
メディアの種類 | インターネットラジオ |
昨日の放送聞き逃した!寝ちゃった!なんて時もタイムフリー視聴が1週間あるので、お気に入りのラジオを聞くことができます。
audible(オーディブル)
Audible(オーディブル)はAmazon(アマゾン)が提供しているサービスです。本を読むことでなく、聞くという新しいライフスタイルを提案しています。
アプリだけでなく、アマゾンからでているKindleの端末からも聞くことができます。種類は38か国語の海外コンテンツと国内コンテンツを合わせ、40万タイトル以上です。
日本語の商品ページは50,000 以上あり、ビジネス、自己啓発、小説、落語、洋書など20以上を聞くことができます。
月間利用者(2019年) | 月間15万人〜35万人 |
有料/無料 | 有料 |
コンテンツの種類 | 教育、名著 |
メディアの種類 | オーディオブック |
voicy
ビジネス向けユーザーが多いvoicyは、発信者になるには審査が必要です。応募フォームより応募してから約1〜2週間で採択されます。インフルエンサーや著名人だけがチャンネルを持つことが許されているため、音声コンテンツが充実しています。
2020年より、プレミアムリスナーサービスがスタートし、パーソナリティー別に課金100円~3万円することができるようになりました。
従来、配信者のマネタイズはタイアップ広告がメインであったのですが、今後voicyのマネタイズの方法が変化していきそうです。
公表数 | 不明 |
有料/無料 | 無料(プレミアムは個別コンテンツごと課金) |
コンテンツの種類 | ビジネス・ニュース |
メディアの種類 | 音声配信メディア |
Radiotalk(ラジオトーク)
スマホ一台で誰でも簡単に発信できるが売りのradiotalk。2017年から株式会社エキサイト社が運営しています。
有料サービスを配信するには、運営の審査を通過した方を通過することが必要です。
芸能人は、キングオブコントで優勝した男女コンビ、にゃんこスターのあんごら村長などが配信しています。
公表登録者数 | 不明 |
有料/無料 | 無料 |
コンテンツの種類 | バラエティ・教育・ビジネス |
メディアの種類 | 音声配信メディア |
ポッドキャスト(podcast)
ポッドキャストにはグーグルポッドキャストと、itunesのポッドキャストと二つあります。今は、スポティファイも参加して、音声コンテンツ配信者からすると、作ったコンテンツの配信するメディアを選べてよいでしょう。
iphoneだけ絞って調査をすると、約6,200万人の23%なので2000万人もitunesを使ったことがあるようです。iphoneのポッドキャストには、もともとあるアプリの強さがあるようです。
バラエティー番組も多く配信されており、人気のラジオ番組の一部放送や、放送終了後のアフタートークなどが人気です。
公表登録者数 | 利用者 約2,000万人/年? |
有料/無料 | 無料 |
コンテンツの種類 | バラエティ・教育・ビジネス・ニュース |
メディアの種類 | podcast |
Spoon(スプーン)
匿名の名前で配信ができる、10代、20代向けの音声コンテンツのSpoon。韓国の音声サービスが日本でサービスを展開しています。
音声システムは、LIVEとCASTがあり、リアルタイムで発信できるLIVEが人気です。配信中に、投げ銭をできるシステムで、配信者は投げ銭をもらうことで報酬を得ます。1スプーンいくらというのが決まっていて、ポイントがたまると交換する仕組みです。
2020年の4月にサービスのロゴ変更し、イメージキャラクターのお化けのロゴがいなくなりました。アプリのカラーも黄色からオレンジに変更して、ブランドイメージを変更していくようです。
公表登録者数(2020年) | 世界で累計1600万人ダウンロード |
有料/無料 | 無料(投げ銭課金) |
コンテンツの種類 | ライブ配信 |
メディアの種類 | 音声配信サービス |
REC.
UGCプラットフォームを目指し、ビジネスよりは若者向けにサービスを展開しているREC.
運営会社は、youtubeのタレント事務所のUUUMが2020年に参入したサービスです。所属しているyoutuberのはじめしゃちょーなどが、カラオケのDAMとタッグを組み、若者向けにカラオケの配信サービスの企画などを提供しています。
今後若者の音声コンテンツ市場を取り込めるのか注目です。
公表登録者数 | 不明 |
有料/無料 | 無料 |
コンテンツの種類 | エンタメ |
メディアの種類 | 音声配信サービス |
Audiobook
audiobook.jpは
公表登録者数(2020年) | |
有料/無料 | |
コンテンツの種類 | |
メディアの種類 | オーディオブック |
こえのブログ
公表登録者数(2020年) | |
有料/無料 | |
コンテンツの種類 | |
メディアの種類 | 音声配信サービス |
朝日新聞アルキキ
公表登録者数(2020年) | |
有料/無料 | |
コンテンツの種類 | |
メディアの種類 | 音声配信サービス |
stand.fm
公表登録者数(2020年) | |
有料/無料 | |
コンテンツの種類 | |
メディアの種類 | 音声配信サービス |
音声コンテンツを発信している有名人
西野亮廣
堀江貴文
まとめ
2020年のコロナの影響で、自宅にいることが増え、音声コンテンツが再注目されました。音声には、映像より身近に感じる力があるため、今後広告が伸びていくとされています。
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