この記事でわかること
①事業の販売価格の決め方
②販売価格の戦略の立て方
目次
商品販売時の利益率の計算方法
例えば、メルカリやアマゾンなど商品販売時に、原価になるものは以下です。
- 仕入原価
- 配送費用
- 梱包材料
- 決済手数料
- 広告費
上記の合計金額を、売り上げ金額から引いたものが利益です。
利益の金額を売り上げで割ったものが利益率になります。
利益率=利益額÷売上高
例えば、小売であれば利益率はおおよそ20%程度は最低確保したいところです。
この利益額の金額から、固定費(家賃や通信費など)を差し引きし、残った金額が手元の利益です。
もし赤字にならないように設定するのであれば、利益の金額で固定費の金額をまかなえる金額になるように設定しましょう。
価格の弾力性とは
価格の弾力性とは、簡単に説明すると、「価格の弾力性が高いものは、セールなどで価格を下げれば下げるほど、売れる」ということです。
例えば、宝石や電化製品など、生活に必要ではないものは価格がセールなどで価格が安いほど売れます。これは価格の弾力性が高いということです。
逆に生活に必要なものは価格が安くても高くても売れます。この商品は価格の弾力性が低いという定義になります。
無理に値段を下げれば下げるほど売れるものは、代替品がある場合が多く、価格が安い商品が選ばれやすいため、価格の弾力性が高くなってしまいます。
価格の弾力性の計算式
需要の価格弾力性=−需要量の変化率÷価格の変化率
価格の弾力性は1を超えると消費者は敏感であると考えられています。
価格の弾力性が高い商品は、一円でも安く消費者に届けるために、部品一個の金額をどう削減して、販売時の価格を落とすかの競争になっていきます。
プライシング戦略
価格はそのブランドイメージにつながるため、慎重に決定する必要があります。ただ、安く売ることは自社の商品イメージを下げることになりかねません。
プライシング戦略3パターン
価格戦略は下記3パターンに分けられます。大手はコスト戦略と差別化戦略をとっています。中小企業は集中戦略として狭いセグメントで低価格と希少性を達成しましょう。
プライシング戦略は3パターン
- コスト戦略=広いセグメント✖️低価格
- 差別化戦略=広いセグメント✖️希少性
- 集中戦略=狭いセグメント✖️低価格✖️希少性
コスト戦略
コスト戦略とは、マーケットの広い層に、価格を安く欲しいものを届けるという戦略です。大企業ならではの戦略でしょう。
ユニクロは、服の種類を押さえ、同じ商品で色のバリエーションを増やすことで商品数を増やして、コストを抑えることに成功しています。
必要な商品を絞り、低価格で高品質な商品を開発をするということでことで成功しています。
差別化戦略
差別化戦略は、高くても他に作っているところがなく、それが欲しいとなってしまうような事例です。
例えば、コンビニはスーパーより価格が高くてもそこでジュースを買ってしまいます。
これは安いということではなく近いから買ってしまうという理由です。欲しいときに近くにあるという希少性が理由で購買につながっています。
集中戦略
中小企業が取るべき戦略はターゲットを絞り、その層に低価格で希少性の高いサービスを打ち出すことです。
例えば、服を売るのであれば、白いTシャツしか売らない、店舗を持たない、低価格といった形で、設計します。
中小企業とるべき価格戦略とは
どうやって価格を高く設定するかは、商品の見せ方によって左右されます。顧客単価の上げ方を3つのポイントにわけて解説します。
PRICE EXPRESSION
価格の表示を並べて、価格の印象をコントロールする方法です。
例えば、松竹梅で竹を選ぶ人が多いと言われています。このように価格を並べて商品を選んでもらい安くする方法です。さらに、竹と松の間は大きく価格を広げることで、さらに竹が選ばれやすくなります。
また、コストが変わらなければ松と竹のサービスを一緒にしてしまうことで売り上げを伸ばすことが化のです。
例えば、マサチューセッツ工科大学 (MIT)で、新聞購入の実験がありました。
- オンライン新聞購読 5,000円
- 印刷した紙の新聞購読 10,000円
このサービスを以下のように変更しました。
- オンライン新聞購読 5,000円
- 印刷した紙の新聞購読 10,000円
- 印刷した紙の新聞購読とオンラインの新聞購読 10,000円
オンラインの新聞購読は限界費用(コスト)が追加でかからないため、最後のサービスを付け加えたことだけで、売り上げが150%程度アップしたそうです。
VALUE HIGHLIGHT
商品表示をネガティブから入ってポジティブで締めくくる方法です。
「でぶだけどかっこいい」と「かっこいいけどデブ」だとどちらが印象が良いでしょうか。
「でぶだけどかっこいい」ですよね。商品をアピールするときは必ず、ネガティブから入ってからポジティブで締めくくりましょう。
ARR(Annual Recurring Revenue)
一度サービスを使ってもらった人に、再度サービスを利用してもらうことで、年間の顧客単価を上げるという設定方法です。
常に新規に広告費を払うより、一回きてくれたお客様に広告費用をはらってまたきてもらうように業務を設計します。
例えばプリンターはプリンター機は安く販売し、インクの購入で利益を稼ぎます。コンビニのコーヒーや剃刀の替刃なども同じです。
近年、フリーミアムモデルといって、初回無料にしてその後の購買やサブスクリプションモデルにつなげる手法が流行っています。
初回購入の人がたくさんいる間は赤字ですが、その後リピーターやファンが増えていくことで、黒字になっていくというビジネスモデルです。
この注意点とすると、なんでもかんでも無料にするといかにも、怪しい商売っぽくなってしまうことです。必ずサービスとつなげた大義名分をもつようにしましょう!
まとめ
販売価格の決め方について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。
中小企業は、ターゲットを狭く、サービスの希少性をあげて、低価格でサービスを開始し、その後は価格を上げていけるように戦略をたてていきましょう。